愛情いっぱいの子育ての始まり
ミカンちゃんは私が40歳の時に授かった大切な一人娘です。待望の子どもだったこともあり、心を込めて大事に大事に育ててきました。
愛情をたっぷり注ぎ、できる限りのことをしてあげたいという思いで子育てに向き合ってきました。
自立への道のりと最初の壁
小学校低学年になったころ、ミカンちゃんには気になる習慣がありました。
自分が使ったものをお片付けしない、何でもやりっぱなし、置きっぱなし…。日常生活の基本的なことも、私が指示を出さないと動かない状態でした。
「トイレ行った?」「手を洗った?」「宿題やって」「歯を磨いて」
毎日こうした言葉を繰り返す日々。この状況に危機感を覚えました。
このままでは自分で何も決められない子になってしまう—その思いが、私の子育て方針を変えるきっかけとなったのです。
変化への挑戦と予期せぬ困難
そこで私は方針を転換し、何でも自分で決めて行動できるように促すことにしました。でも、ここで予想していなかった問題が勃発したのです。
今まではほとんど私がやってあげていたため、いきなり「自分でちゃんとやって」と言っても、すぐに全てを完璧にこなせるはずがありません。それは理屈では分かっていたはずなのに…。
できないミカンちゃんに対して、私はつい「どうしていつも言ってるのに出来ないの?」と、イライラしながら言葉を荒げていました。このガミガミ、叱責の連続が、私たちの関係に影を落とし始めていたのです。
恐ろしい気づき:言葉の力
ある日、ふと恐ろしい気づきが訪れました。「自分でちゃんとやって」「もっとちゃんとして」と繰り返し言うことで、私は知らず知らずのうちに”自分はちゃんとしていない”という認識をミカンちゃんに刷り込んでいるのではないか。
「早くやって!」「早く早く!」という言葉も同様です。これらの言葉がミカンちゃんに「トロい」「どんくさい」というレッテルを貼ることになっていないだろうか。
確かに「こんなことも出来なくて、バカじゃないの?」といった直接的な侮辱や酷い言葉は一切使っていませんでした。でも、イライラしながらガミガミ言う私の声色やトーンには、そうしたニュアンスが含まれていることに気づいたのです。
変化への決意
このまま言い続けると、大切なミカンちゃんをいじけた惨めな敗北者にしてしまいそうで恐ろしくなりました。そして、イライラガミガミを止めなければ!と強く決心したのです。
しかし、ただイライラガミガミを表面的に止めるだけでは、また同じことが繰り返されるでしょう。感情のボタンが押された時に、また再発してしまうからです。真の変化のためには、イライラガミガミの”根源”に対処する必要があると感じました。
解決への新しいアプローチ
従来なら「潜在意識をどうにかしなければ」と考えるところでした。心の奥底、私たちの意識が及ばない場所に原因を求めて掘り下げていくというアプローチです。
でも、私は新しい気づきを得ました。潜在意識を延々と探り続けることは、同じところをグルグルとループするだけかもしれない。そうではなく、セルフラブ(自分を愛する・感謝する)を実践し、自分自身の「波動」を高めることが、私自身にとっても子どもにとっても最も有効な手段なのではないか。
実践と結果:今日の私たち
この気づきをもとに、私はイライラガミガミを一切やめる決心をしました。叱責ではなく、受容と理解、そして自分自身への優しさを大切にする子育てへと転換したのです。
その結果はどうだったでしょうか?
ミカンちゃんは現在中学生になり、多くのことを自分で決めて自分で行動できるようになりました。もちろん、お片付けは今でも苦手な部分がありますが、それも彼女の個性として受け入れられるようになりました。
学んだ教訓
この経験から私が学んだ最も大切なことは、子どもの成長を焦らないこと、そして親自身が自分に優しくあることの重要性です。子どもは親の鏡。私自身が自分を責めず、自分を愛することができれば、その姿勢は自然と子どもにも伝わっていくのです。
子育ての旅は時に困難を伴いますが、互いに成長し合える素晴らしい機会でもあります。私とミカンちゃんの物語が、同じような悩みを抱える親子の参考になれば幸いです。
お子さんに何かを教える前に、まずは自分自身に優しく、自分を愛することから始めてみませんか?その小さな変化が、家族全体の幸せにつながるかもしれません。